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Channel: これ、誰がデザインしたの?
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ジョグジャカルタレポート その6 市場にて

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ライター渡部のほうです。

インドネシア、ジョグジャカルタ。伝統的な市場のブリンハルジョ市場。混沌としていて分かりにくいのだが2階建てと3階建ての二棟からなっていて、合計4.5ヘクタール(東京ドーム1個分)、店舗数5000軒だとか。サイズに関しては、資料が少ないので、正確なところは分からない。しかも屋外にも露店が広がっているので、ますます分からない。

正面入口から入るとバティック、布類ばっかりなのだが、ずんずん進んでいくと、生活雑貨、生薬、機械類(オートバイのパーツなど)、精肉、食品、など、市民生活を支えるものとなっている。

主に食品をどのように「包む」のか、見てみた。

簡易食堂。
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食堂っつーか、おかずが並べてあるだけ、という言い方もあるけど、作り手(売り手)がいて、おかずがあって、お客が来れば、もうそこは食事処。
四角に切ったバナナの葉は、おかずを並べたり、おかずの上に置いて埃や虫を避けたり、持ち帰りの時に包む包み紙になったりする。
包んだモノの写真を撮ってこなかったのが残念だが、しかも文章で説明しようと色々書いてみたのだが、なんとも写真がないと分かりづらい話なので、ここではやめておこう。色んな屋台や食堂を見たが、包み方はそんなに決まってない様子。四角錐っぽい形になったり、平べったい形になったり、包むモノにより多様。しかし、かなり汁っぽいものもきちっと包み込める技術がすごい。
この「お包み技術」が継承され、市販品の紙包み商品に活かされているのだと感じた。

葉っぱと言えば、この魚のカゴ(?)がすごい。
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サイズ感分からなすぎだけど魚のサイズ10センチくらい。
iPhoneより小さい魚の箱、だとお考え下さい。

ビニール袋入り総菜。
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広い市場で働く人向けに、狭い路地も通り抜けられるような小さいカート(というか家庭用ワゴンにカゴを乗っけただけだけど)でおかずを売っている。
ビニール袋に汁物が入っているが、きっちちゴム止めされ、こぼれてない。
タイでもそうだが、くるくるっと輪ゴムを止めるだけで、なんであんなにこぼれないようなビニール包みができるのか、よく不思議に思う。

あらかじめ袋に入っているもの。
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上はテンペを揚げたスナック、下の左側は日本のイカ天スナックみたいな、ウナギ天。
市場で一番よく見るのは、透明なビニールの袋に、商品や店名を印刷した紙を商品と一緒に入れる上のタイプ。あるいは、下の写真右側のようなそうした紙でビニール袋にホチキスで留めるタイプ。
下の写真左側の下のほうになってしまったが、ビニールに直接印刷されているものもある。

決まった商品が、決まったサイズで入るのが分かっている量産品は、袋に印刷されているものも多いのだが、基本計り売りが多いゆえ、対応しやすい透明ビニール+印刷された紙、の組み合わせ。

これはお菓子屋。
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プラスチックの入れ物に入っているものを計り売りする。

揚げ物や食品を透明ビニールやプラスチック容器に入れて、露天に出す、というのは、油焼けしやすいだろうし、今の日本ではなかなか見ない。ただし、透明なのは、コストの安さからだけではない。
工場製、量産されたものを販売するスーパーマーケットなどではなく、実物を見て買う市場では、その実物がどういうものであるか、目で見て確かめる、ということも重要である。

私が子供の頃は、ポテトチップスなどのスナックが透明な窓のあった袋から中身の見えないアルミ蒸着フィルムに変わった移行期で、中身が見えなくて割れていないか不安だ、と思った覚えがあるのだが、いまではすっかり普通。中身が見えなくても大丈夫、と思わせる。あるいはそう思わせられている、とも言えるけど。

パッケージデザインは、中身がどういうものであるか、を代弁する機能がなくてはならない。店の写真に映っている店主のおじさんの役目を果たさなくてはならないわけだ。
現状のインドネシアでは、市場もあれば、個人商店もスーパーマーケットもある。
スーパーマーケットも随分普及してきているが、値段の面から見ると、圧倒的に市場のほうが安い。
では、パッケージされた商品には、(モノによっては、だけど)倍以上する値段を意味や価値をいかに伝えられるのか。
ただきれいなパッケージでは訴求しない。このブランドなら、この説明なら確信して買える、と消費者を説得しなければならない。
今のインドネシアの食品、日用品はそういった状況なのだ。

その他、市場で見て気になったもの。

このハンガー、丸い輪っかはどう使うんだろう、なんか便利っぽいけど、邪魔なような気もするし。
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市場は、それぞれの商店主が朝やって来て、店を開く。シャッター式になっているところもあるが、タンス式とでも言えばいいのだろうか、
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すでに収納されていて、朝、鍵を開け、扉を開き、商品を出せば商店になる。
下の収納部分は閉めて、その上に座っている店主もいるし、全部開けて、前に椅子を置いて座っている店主もいる。ミニマル住宅みたいだ。




ジョグジャカルタレポート その7 インドネシアの製品を見て

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ライター渡部のほうです。
すでに東京に戻っているのだが、今のインドネシアの製品、パッケージについてまとめてみたいと思う。

いかにも「インドネシア」らしい製品、と思ったのがこちら。
ホテルに電気ポットがなく、900円くらいだから、とカルフールで買った電気ケトル。
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店頭で色は青やピンクのバリエーションがあったが、緑を買ってみた。
色の選択肢で、緑は必須のようだ。

奥においた外箱の70年代ディスコ風なキラキラな派手さも、いかにもインドネシアの人(買うのは大体女性)が好きそうだ。

製品のおおざっぱな作りも、いかにも。
スイッチはなく、水を入れて電源に差すだけ。
気をつけて見ていないと、水が蒸発して、プラスチックが熱すぎて溶けてしまいそう。
使っている間、ハラハラし通しだった。
電源コードの作りもいい加減な感じで、バリ(プラスチックの型からはみ出た部分)がありすぎ、そういうデザインなのかと思ってしまう。

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電化製品は輸入モノが多く、これは中国産インドネシア向けかと思ったら、インドネシア産だった。
やはり現地の志向を表したものになるのだろう。

で、他のものも諸々含め、おおざっぱにまとめてみると以下のような傾向が見えてきた。

・茶色と緑
 メダンに行った時に書いたが http://blog.excite.co.jp/dezagen/25277320/ 緑が非常に目につく。
もともと緑(植物、という意味で)の多い国、というより、植物だらけの国、なので、緑に親和性があるのは納得がいく。そんなに単純な話なのか、もっとリサーチが必要な気もするが、植物の成長と同じく
緑=いきいきとした感じ
茶色=成熟の色、安定感、
というイメージはあるようだ。

・男女差
男性と女性の役割がかなりはっきりと分かれている。
家庭用品ははっきりと女性のテリトリー。
今回見た日用品や食品のパッケージの傾向も、女性向け、と考えたほうがいいかもしれない。

男性は「強さ」「ステータス」が強調されているものを好んでいるようだ。
例えば、バイクは黒地に赤、鞄などは濃い目の色合いに、メタルのパーツが着いているものなど。

・光るものが好き 
メタルのパーツもそうなのだが、上のケトルの外箱がキラキラしてる感じや、実際に製品がツルツルしているもの、は、新しさの象徴として受け止められている。

・伝統的な市場や個人商店の強さ。スーパーマーケットの役割の違い
 スーパーマーケットの軒数も増え、利用客も増えている印象だが、市場や個人商店の賑わいからすると、スーパーマーケットを常に使っている層というのはそれほど多くない。
併用している人が多いためなのだろう、スーパーマーケットでは例えば大型サイズの食用油や洗剤、トイレタリー商品や、洗剤、シャンプー類などリフィルのものが多く、まとめ買いすれば得なものが多く見られる。
市場や個人商店は日々の買い物に、スーパーマーケットはまとめ買いの時に、という使い分けだろう。

市場では、実物を目で見ることが重要視されている。食品に関しては計り売りが基本なので、パッケージというような段階ではなく、単に透明な袋、である。
市場では、量産品の小袋入りも販売されているが、中身そのものが分かる状況の中で売られているものなので、調味料の小袋も、「こんなものが入っていますよ」と写真や絵で分かる、目ですぐ分かる要素が必要。
シャンプーにしても、これも「このブランド」あるいはその前段階として「シャンプーですよ」「洗剤ですよ」と、過剰なほどにアピールするものでなくてはならない。

個人商店は水から食品から衛生用品から、いわゆる何でも屋が多い。小袋商品他パッケージされた商品が売られていて、あまり大きいサイズのものはない。昔の写真を引っ張ってくると、2012年の写真だが今もあまり変わらない。
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小袋の形態の場合、アルミ蒸着フィルムを、熱圧着して袋にしたものが多く、大体似たような袋の作り。こうなると、パッケージ上で「これは何が入っているか」を明確に示す必要がある。
ヘアケア製品でも、シャンプーなのかコンディショナーなのかヘアジェルなのか。調味料はビーフ味なのか、チキン味なのか。などなど。
とはいえ、市場にしろ個人商店にしろ、店主がいるので、説明してくれる人がいる。
上に「光るものが好き」と書いたが、個人商店でも半ば屋外なので、埃が付きやすい。表面がツルツルしていれば、ほこりも着きにくい、というメリットがある。

この日常生活を踏まえて、スーパーマーケットでは、ある程度ブランドや商品名が分かった状態で、まとめ買いをしに行く。商品が並び、自分で判断して買わなければいけない状態なので、ここでもパッケージに説明が必要だが、個人商店で並んでいる商品に比べ、写真よりも文字情報が多くても構わない。
効能機能などのアピールも重要だが、今のインドネシアの状況だと「どれだけお得か」に注目している消費者のほうが多いような気はする。
この辺は、スーパーマーケットのあるエリア(ジャカルタの都市部、真ん中なのか、あるいは地方都市の郊外型なのか、などの違い)でかなり違いはある。

これ以上書いていると長すぎてなんだかワケが分からなくなりそうなので、インドネシアに関して、ざっとした印象としてこの辺で切り上げておこうと思う。
明日からロンドンパリに行く私なのだし。

ロンドン P&Wの事務所に行って来ました

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ライター渡部のほうです。

インドネシア旅行から戻り、2日置いて、ロンドン。

10年以上、色んな国のスーパーマーケットを巡ってパッケージを見て来て、イギリスはスーパーマーケットのパッケージ言語が最も豊かな国だと思う。
簡単に言うと、スーパーマーケットでのパッケージデザイン文化が最も進んでいる、というのが私の見解。

整然とした美しさ、で言えばMarks & SpencerやWaitroseのプライベートブランドが思い浮かぶが、
バリエーションを揃え、かつ、消費者に分かりやすく、訴求力もある、という点では、現時点でテスコ tesco
がうまい。

テスコのプライベートブランドのプレミアムライン「tesco finest*」
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http://www.tesco.com/groceries/zones/default.aspx?name=tesco-finest&icid=GSR_Finest

を、発売の1998年から手がけているのが、ロンドンにベースを置くデザインコンサルタント、P&W。
こちらはP&Wのtesco finest*紹介ページ。
http://www.p-and-w.com/work/tesco-finest/
日本語 pdf http://www.p-and-w.com/wp-content/uploads/2015/09/PandW_JAPANESE_PORTFOLIO_AUG15.pdf

P&Wは2人の代表者の名前、Simon Pemberton(サイモン・ペンバートン)氏とAdrian Whiteford(エイドリアン・ホワイトフォード)氏の名字の頭文字を取ったもの。
今回、エイドリアン氏と日本人スタッフの森田亜紀子さんに会い、お話を聞いてきた。

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P&Wのオフィスにて。エイドリアン氏。

tesco finest*のシリーズは、1998年から約2年おきくらいで、リニューアルを重ねている。
90年代後半、イギリス(恐らくイギリスに限らないが)のスーパーマーケットのプライベートブランドというのは、ナショナルブランドよりも安く提供する商品が主で、そこに“より高い”プレミアムラインが登場したこと自体斬新だったが、瞬く間に、他の、世界各国のスーパーマーケットにも広がった。
現在、プライベートレーベルのカテゴリー分けとしてgood (低価格帯)、better(中間価格帯)、best(高価格帯/プレミアムライン)の3種はほぼ基本となっている。

登場時tesco finest*は、シルバーの帯といかにも豪華な雰囲気のシズル写真を組み合わせたもので、そのカテゴリーのパイオニアの運命でもあるが、他のスーパーマーケットでもプレミアムラインの商品といえば、黒地+銀か金の帯もしくは文字+豪華シズル写真、とtesco finest*同様なデザイン構成されるものが多い。
tesco finest*も2010年くらいまでは、こうしたシャープなイメージのデザインだったが、2012年以降趣向が変わり、黒地を多く、イラストレーションや手書き文字を多く使ったものに。2014年にはさらに約1500のアイテムの商品のバリエーション毎(シリアルのシリーズ、スパイスのシリーズなど)にスタイルを変え、さらに手書き文字やイラストが多くなり、素材もマットな風合いのあるものに、銀の要素は「tesco finest*」の文字部分だけ、と絞った。
現行のtesco finest*は複数のデザイン事務所がデザインを手がけているので、すべてP&Wがデザインしたものではないが、基本がしっかりしているためだろう、イラストだったり、手書きだったり、スタイルは異なっても「tesco finest*だな」と分かるものとなっている。

10年以上、黒+銀帯のイメージがあっただけに、かなり大胆な変革だと感じたが、
「パイオニアとして常に先に行かないと」とは、エイドリアン氏の弁。

他にも、日本とイギリスの違い、日本はまだプライベートブランドが定着していないこと、ヨーロッパとアメリカの違い、健康を前面に出すパッケージの限度、など様々なことをエイドリアン氏、森田さんと話したのだが、色んな要素がありすぎて書き切れず。
P&Wはまたの機会に改めて取材したいと思った。

アメリカのスーパーマーケット その1 陳列など

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流浪のライター、渡部です。

3月中旬は8日ほどアメリカに行っていた。
途中、ミシガンでのハーマンミラー社見学を挟み、約6日ほどはNYに滞在。
(ハーマンミラーのレポートは後日アップ予定)

で、スーパーマーケットにも当然行く。
さすがNY、人種のるつぼ。ビッグアップル。えー、他何だか分かんないけど、とにかく色んな種類のものが沢山ある。しかもデカい。
ここ数年、毎年1回はアメリカに行っているけれど、何度行っても驚く。

滞在先に近かったTargetというスーパーマーケット。
1902年ミネアポリスで創業。2015年時で全米に約1800の店舗を持つ、全米第5位の小売りチェーン。
以前、マイケル・グレイヴスを起用したプライベートブランド商品を出したり、デザインに積極的なスーパーマーケットという印象だったので、行ってみたのだが、今はそうでもなかった。。

だるま市か…
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サンフランシスコに行った時も思ったのだが、衣料用洗剤tideの棚を見ると、どうしてもだるま市を思い出す。近年より丸い形状の容器になってきてますますだるま度が増している。
手前のものは丸い形状とはいえ、前面背面はフラットなので、カーリングも出来るだろう。

キャンベルスープ
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便利だが、パッケージデザイナーの気持ちをくじく陳列。

今回最大の驚き。
カート用エスカレーター
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人間のエスカレーターと一緒に着いてくるのでペット感がある。

続く。

アメリカのスーパーマーケット その2 顔、人の絵

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ライター渡部のほうです。

アメリカのスーパーマーケットで見たもの、その2。
顔や人間の絵に注目してみる。

若くて元気な坊や達
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日本で言うところのビスコの坊や。
今のアメリカじゃどこ探してもいないんじゃないだろうかと思うのだが、理想像としてアイコン化している。
いないんだろうけど。いや、いるのかもしれないな。アメリカ広いし。

アジア系の自分としては、こういう白人金髪の理想像を毎日見せつけられるとイラっとすることもあるんだが、アイコンはアイコンとして残っていて欲しいものでもある。グリーンジャイアントとかミスターピーナッツみたいな意味で。

東南アジアや東欧に行くと、ハッピーファミリー(若くてハンサムなお父さん、美人なお母さん、娘と息子)みたいな絵が着いた商品を多く見るが、離婚もすれば再婚もする、シングルマザーもシングルファーザーもいる、私のような長期シングルもいる、ゲイのカップルもいる、養子もいる、という現代においては、既存のハッピーファミリー像はさすがにpolitically correctness(この言葉、いつも日本語訳が分からない)に反するというか、反しはしないまでも、反感は買うかも。
てなわけで、今回のアメリカ滞在中で見たパッケージの中では見なかった。

単にカッコイイなと思って撮った
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コックさん像というのも世界万国共通の「おいしさ醸しイメージ」として使われている、
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いや、使われていた、というべきか。
日本では最近見ない。昭和感。
ところで、バゲットの入ったこの袋、手前に「French Bread」と書かれているより、奥の「AMERICAN BAKERY」の字のほうが目立つ。アメリカン押し。

融氷雪剤
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とうていそんな量では溶けまい、という上の雪の精のほうが強い。

続く

アメリカのスーパーマーケット その3 動物

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ライター渡部のほうです。

スーパーマーケットでは当然、動物の絵に注目。

動物ビスケットの歴史 http://blog.excite.co.jp/dezagen/25007608/ の時に書いたんで、改めて説明することもないけど、動物ビスケットの変遷を見て行くと、人間がいかに動物を見ているか、が追えて面白い。

が。
これじゃ分からない。
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アイシング掛け過ぎ。

最近流行の農場系
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とは思えないようなどぎつい色合い。
ナチュラル感を出したいのか、面白さを出したいのか、どっちなんだかはっきりしてくれ。

イースター(3月25日から3月28日)が近いので、ウサギ物、卵形、ひよこ形がやたらとあった。
イースターを祝わない日本人にはさっぱりな感覚だ。
ハロウィーンのように日本に進出してこないことを祈る。これ以上「祝いもの」が増えると面倒臭いから。

これは多分politically correctな動物と人間の関係。牛乳のパッケージ。
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牧場における、人間と牛のふれ合い。
まあ、ふれ合い牧場でやってくれればいいです。
実際の牛見たらでかくて近寄りがたい。と、思う。

毎度おなじみ、マギーVSクノール、スープストック動物対決

マギー
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鶏の種類がちと違うのは、米国で出してるものと、南米で出してるものなど海外からやって来るものと混在しているからか。

マギーの鶏、怖!
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対してクノール。地味だよなあ。
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欧米で豚のスープストックは比較的珍しい。

と、思ったけど、さすがアメリカ、多民族国家。豚も結構いる。
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GOYAはアメリカのヒスパニック系ブランド。
チキン、ビーフもむろんいた
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豚(というかハム味)に比べると、割とおとなしめだ。

アメリカのスーパーマーケット その4 形状

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ライター渡部のほうです。

海外に行くと、日本にはなくて変な形のものや、日本にもあるのだけれど文字やグラフィックが違うことで改めて形について考えてしまうパッケージがある。

象徴的なものの一つとしては、こういうくびれタイプなもの。これは脱臭スプレー。
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円筒型が効率いいと思うのだが、なめらかシェイプというか、女性体型というか、くびれを持たせても、特に魅力的に見えるわけではない。少し持ちやすくはなるんだろうか…?

女性用カミソリとか、ヘアケア製品とか「なぜこの形に?」というものが多いのだが、想像するに(あくまで想像)
商品開発部の人A「今度の新商品、ちょっと目新しい感じにしたいんですけどね」
商品開発部の人B「女性向けじゃないですか。やっぱ、しゅっとした女性らしいラインなんかがいいんじゃないすかね」
A「スリムで健康みたいな感じ?」
B「そうそう」
A「じゃあ、それで行きましょうか」
なんて、こんな軽々しく商品の形が決まるわけはないのだが、なんとなくニュアンスとして「女性=くびれ」とか思ってないかー?みたいな商品にはよく出くわす。

キャンベルスープボトル
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レンジで温めてそのまま飲めるというか食べるタイプ。
コーヒーのタンブラーみたいな形だ。忙しいビジネスマンはスープも持ち歩きながら飲むんだろうか。

ぶれた。。。アナ雪の加湿器。
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雪だるま形のは、学校に導入して欲しい。

旅の同行者が「それ、おでんの大根ですよね」と言う。
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石鹸ですよ。


アメリカのスーパーマーケット その5 その他

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ライター渡部のほうです。

アメリカのスーパーマーケットで気になったもの、その他。

アイスキャンディの色が…
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色といえば、キッズコーナーの女子セクション
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世界万国、女子はピンクが大好き。って誰が決めたんだろな。
不思議なのは、日本だと女子はピンク赤系で、男子は青系、の流れがあるけれど、海外は、女子はピンクというのはほぼ定番な割りには、男子色があんまり決まってない。
なぜだ?これを突き詰めていくと、またpolitically correctness問題にぶつかりそうなので避ける。

シロップかと思った。マジでシロップかと思った。しつこいけど、マジで思った、住宅用洗剤。
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カーペット用ふりかけ(日本で最近見ないなー)アップルシナモンフレーバー。
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脱臭もしくは香り付きゴミ袋。
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どうもアメリカではポピュラーな商品らしく、GLADというゴミ袋や保存袋を出しているブランドに、洗剤ブランドCloroxの抗菌機能プラスとか、ファブリーズ機能プラスとか、さらにそこに洗剤Gainの香り付きとか、どこまでも続いて行きそうなブランドコラボ大会になっていた。

典型的なアジア(中国)イメージの調味料
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こういうグラフィックもアイコンとして是非残っていていただきたいもの。

かっこいいトマト缶
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カップヌードル「ホームスタイル」
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私にとっても、ホームを感じさせる。
というわけで、東京ミッシングにて、帰国。

今回のスーパーマーケットレポートは以上。

TORAYA CAFÉ・AN STAND 新宿にやって来る

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ライター渡部のほうです。

本日は、新宿に出来たばかりの新しい複合施設、NEWoMan、の中に出来たTORAYA CAFÉ・AN STAND のプレスプレビューに行って来た。

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メニューはこんな感じ。
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AN STANDと言うだけに(一応スツールと、カウンターはあるけれど)こじんまりとした場所。
でも、あんペーストもある!あんコッペもある(このコッペパンの中にむっちり美しく入っているあんこはとてもきれい。サンドの仕方を教えて欲しい)!焼き菓子もある!

すっごいなあ、は、こちら。
仲條正義さんの虎。
壁画と袋。
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このインパクトで、他のグラフィックやインテリアは誰がデザインしたの?を聞いてくるのを忘れてしまった。。

詳しくはこちらで。
https://toraya-prd.s3.amazonaws.com/__/_files/toraya/pdf/press_release/20160229_234.pdf

ハーマンミラーの本社、工場に行って来た話 1日目

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ライター渡部のほうです。

すでに1ヶ月以上前の話になってしまったのだが、3月15日と16日に掛けて、アメリカはミシガン、家具メーカーのハーマンミラーの本社に行って来た。
ハーマンミラーHP  http://www.hermanmiller.co.jp

ハーマンミラーの本社、工場があるのは、湖に囲まれたミシガン州の、デトロイト(東端)と反対の西側、Zeelandというエリア。むしろ、対岸のシカゴのほうに近いくらい。行くまで知らなかったが、アメリカを代表する家具メーカー、ハーマンミラー、HAWORTH(ヘイワース)、Steelcase(スチールケース)がこのミシガン西側のエリアに集中している、家具の街。
NYから乗り換え、1時間ほどのグランドラピッズという空港が最寄り。そこから車で45分ほど。なかなかの長旅である。

一番最初に行ってみたいと思った理由は、自分でも使っているアーロンチェア(今17年目。1代目は15年で人に譲り、今2代目)がどのように作られているのか見てみたかった、ということ
また、アレキサンダー・ジラード展で見た昔の椅子の脚と、最近出たGirard Hexagonal Tableの脚がほぼ同じ形なのだけれど、仕上がりがより滑らかになっている。こうした昔のデザインを起用した新商品の場合、どのようにデザインを発展させていくのか、聞いてみたかった。

のだが、ハーマンミラーの会社を見てきた後、この疑問はあまりにも末端すぎた。むろん、末端(details)も重要ではあるけれど、むしろ会社として(作る側の会社として、そして使う側の会社として)どうこれらの家具を使って行くのか、もっと大きな視点で見ることが必要だと思うようになった。
と、家具への目線を変える旅となった。

具体的に見て来たものを時系列で。
今回は、私と、大学の助手(山浦のどか、王亜京)、芝浦工業大学大学院生の堀口拓の4人での見学。(ブログの写真は、4人で撮影した写真が混在)

1日目。
デザインヤード。
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驚くほど自然豊か。
デザインヤードは、クライアントの対応、デザインやマーケティングを含めたいわゆる「本部」。クリエイティブから役員まで、壁のない広大なワンフロアで仕事をしている。

入口入ってすぐ。
カフェっぽいカウンター
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 (コーヒーメーカーなどのある逆側から見たところ)
空いているスペースを自由に使って、ミーティングを行うスタイル。ここで自分の好きな飲み物を持ってミーティング。
概してアメリカのコーヒーは(コーヒー専門店、スターバックスなどコーヒーの専門チェーン店を除き)うっすい、のだが、ハーマンミラーのコーヒーは濃くておいしかった。余計な情報ですが。

デスクの合間合間にも、自由に使えるシーティングスペースがあり、ここでもミーティングしたりしているそう。
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部署によって、家具のセッティングも異なる。ここは120度をベースにしたResolve System。
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参照 http://www.hermanmiller.co.jp/products/workspaces/individual-workstations/resolve-system.html
こうした様々なセッティングは、クライアントが来た時に、多様なワーキングスペースのサンプルとしても機能している。
個人的にはEmbody Chairsがこんなにあっていいなあ、というところに目が行く。
この椅子、初めて座った時は背中にタコの吸盤が張り付いたのか!?と思うような感触に驚いた。

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ここもResolve System。
よく見ると、デスクトップとラップトップ型のコンピュータを使っていることが分かる。
ラップトップの置き方もかなり個人個人で異なる。机にそのまま置く人、モニターを目の高さに持って行けるスタンドを使っている人など。

1日目の夕食時と2日目に本社でインターナショナルアカウントマネージャーの近藤栄子さんのアテンド+日本語通訳(近藤さん、ありがとうございます)でフォローしてもらい、日本との違いも多く教えてもらった。
ラップトップ持ち、もその一つ。アメリカではラップトップでも仕事をし、家に持ち帰り、自宅勤務の形を取る人も多いそう。

なので、たまに空いている席がある。自分のラップトップを持ってきてつなげば、そこが仕事場、という在り方。
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だからこんなに大きな出勤表があったのか。壁一面。後で気がついたけど。
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手作業スペースもあり。
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ざっと見て、日本の会社よりも紙が少ない。机の上のモノが少ない。
イントラネットをきちんと作らないとできないけれど、これくらいモノが少ないと楽そうだ。

役員室。
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というか、壁がないので、役員の人がいるコーナー、という感じ。
社長席は奥、だけど、家具は同じ。開けてる。

敷地奥には商品やパーツ、素材のテストを行うテストラボを併設。テストラボ、すごい面白かったのだけれど、残念ながら写真撮影禁止なのだった。
テストラボの話は2日目に。

テストラボに行く途中のカンティーンの様子。
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モニターを見たり、概要を聞いたプレゼンテーションの部屋はこんな感じ。
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イームズやイサム・ノグチ、ジラードなど、コレクションと呼ばれる50年代〜70年代に掛けてデザインされたものをメインにアレンジしたお部屋。
一方でハイテク/エルゴノミクス最先端なオフィス家具があり、一方でクラシカルなスタイルがあり。様々なスタイルが提供できるというのはハーマンミラーの強みの一つだ。

2日目の話に続く。

ハーマンミラーの本社、工場に行って来た話 2日目前半

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ライター渡部のほうです。

2日目はまた別の社屋で、グリーンハウス、と呼ばれる部署に行く。
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ここでは、樹脂系の家具製造、及びショールームがある。

プレゼンテーションを受けるお部屋。ここもまたコレクションと呼ばれる家具でしつらえられている。
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左にいるのが近藤栄子さん。
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手前、Eames Lounge Chairでコーヒー飲みつつ余裕な私。こんな風に座ってみたかった、夢が叶った。
奥は何でも答えてくれた、ハーマンミラーの生き字引、ガーブ・キングマ氏。
何でも答えてくれるガーブさんなのだが、この時点で私の興味が、家具のディテールの話よりも、企業としてどういう指針を持っているか、に変わって来て、質問が曖昧になってきてしまい、ガーブさんもさぞかし困ったことでありましょう。

我々の見学では、撮影禁止だった工場の様子が、youtubeのHerman Millerページに上がっていたので、参考まで。
The Making of Herman Miller Chairs
Published on 3 May 2012

ビデオ中、0:40〜2:06まではテストラボの様子。
テストラボは、前日に行ったデザインヤードのほうにある。

テストラボでは、例えば椅子として出来たものの加重、衝撃、耐久性などをテストするだけではなく、今後製品化されるものの、パーツ(素材違い、微妙な角度違いなど)の耐性テスト、さらに既存のすでに市場に出ているものを定期的にテスト、と、あらゆるものをあらゆる方法でテストするところ。
日光や湿度、温度にどれだけ耐え、どの時点で劣化するのか、というテストのスペースは、家が一軒入るくらいの大きさ。
リクライニングに何回耐えられるのか、加重に何回耐えられるのか、というのは専用のマシンで、がちゃんがちゃんテストし続け、夜、人がいなくなっても延々とがちゃんがちゃんが続くらしい。夜、見に来てみたい。
パーツの強度テストでは次々とパーツが破壊されるまで力を加えられる。次々と壊れていく様は、見ていて気持ちが良い程であった。デザイナーや商品開発の人は気が気じゃないだろうけど。
壊れたパーツは一つ一つ保管され、どこの部分が弱いのか、どう壊れるのか、後で検証される。
このような過酷なテスト(アメリカの基準、国際基準以上に厳しいテストをハーマンミラーでは行うそうとのこと。なるほど、長持ちするわけだ)を経たものが製品化され、市場に出る。このテストラボを見ていると、そうそう簡単には市場に出なさそうで、一つの製品の道のり遠いなあ、と思った次第。

モデルルームへ。
Locale
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参照 http://www.hermanmiller.co.jp/products/workspaces/individual-workstations/locale.html

Public Office Landscape
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参照 http://www.hermanmiller.co.jp/products/workspaces/individual-workstations/public-office-landscape.html

日本にはまだ入ってきていないヘルスケア部門のショールーム一部。
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このシステムは美術系の大学に取り入れられる(取り入れて欲しい、というべきか)と思ったもの。
一つは、薬品などの整理ユニットは、学内で使う小さいものの仕分けにそのまま使える。危険物の管理も鍵の掛かるロッカーを付けることができる。
個人的なことを言えば、私は「日用品」がテーマゆえ、本もあれば、スーパーの袋もあれば、パッケージ各種もあれば、と形態がバラバラなものを保存していて、引き出し式の整理棚に入れておくと、どこに何が入ったか分からない。で、そのうち忘れてしまう。こういう斜めから見える収納ユニットがあると楽だ。
薬剤を多く扱う工房はより、こうした収納が必要になりそうだ。

また、もう一つは、対面式の医者と患者という関係は、教員と学生の関係にも通じるものがあるため。
モニターを見て情報を共有しながら、問題の解決方法を提供していく、方法は、家具をどのようにアレンジしても出来ることなのだろうが、そのようにしつらえた場所であればよりスムースにできるんじゃないだろうか。

1日半の見学の中で、家具の配置によって、いまある状況をもっと良くできるのではない、という具体的なイメージが湧いてくるようになった。
この時までにも何度か「ハーマンミラーが売っているのは家具ではなく、解決法である」と言われていたのだが、日本にいてハーマンミラーというとアーロンチェアやイームズのシリーズなど、単体でのイメージが強かったため、あまりピンと来なかったことや、最近はどこの会社でも(デザイン会社でも)「売っているのは商品ではなく、解決法」という言い方をするので、広告の売り文句的に聞いていたのだが、アメリカのハーマンミラーの場合、日本よりももっとオフィス提案の比重が大きい。
さらに、それを具体的に会社見学(会社の透明性)という形を取って見せてくれたので、見てるこちらも「ああ、こういう使い方ができるんだな」と納得しやすかった。

むろん、アメリカと日本のサイズ感の違いもある。働き方の違いもある。
既存の家具を全部とっぱらって、新しいシステムを全導入というのも無理があるだろう。
また、日本にもいい会社があるし、ハーマンミラーだけが解決策を提示しているわけではない。
だが、ハーマンミラーの提案する合理的なところ、変化に対応していこうとする姿勢から、得るものは多い。

2日目の後半に続く。

ハーマンミラーの本社、工場に行って来た話 2日目後半

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ライター渡部のほうです。

この辺はうらやましい編。

うらやましい社内ジムスペース。
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うらやましい社内体育館。
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この体育館(という言い方をすると、なんとも中学高校のようでだっさいが)は、写真右側でモニターを用意していることからも分かるように、多くの人が来る時のプレゼンテーションルームとしても使われる。

ちょっとだけ移動して、ミッドウエストディストリビューションセンターというところへ。ここにすごい場所が。

アーカイブ室!
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ハーマンミラーの創立は1923年から。その前身となるスター・ファニチャー・カンパニーは1905年に創業。100年以上の歴史資料を整理、整頓し、かつ展覧会など必要時に必要なものをすぐ出せるような仕組みにするには相当の努力があったに違いない、ですよね?と聞いたら、かなり本気な顔で「そう。大変よ」と言われた。やっぱ大変なんだな…。

展示会行きを待っている家具などの資料。
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こうしたボリュームを取る資料は、倉庫から必要時に出してくるそう。

平面の資料は引き出しに。
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ジラードの布サンプルがわわわーと。
設計図がわわわーっと。
素手で触っていいとのことで、逆に緊張。

昔の広告やカタログを広げてくれているところ。
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手前に、私のグー。見たい資料がありすぎて、どこを見たらいいか分からなくなってる上に、あまり時間がなくなってきて、見切れない!と悔しさのあまり、手がグーになってた。

ちょっと珍しいもの。
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昔の工場ではこのように木の板に設計図、解説図を書き、工場で働く人に指示書として見せていたそう。このパネルが何枚もあり、全部見てみたかった。

最後環境配慮の話を1時間ほど聞く。
ハーマンミラーの環境に対する取り組みはよく知られているところなのだけれど、驚いたのは、2020年までに○○%、と目標基準を明確に示していること。
「パーフェクト・ヴィジョン・プログラム」概要の日本語はここに。
http://www.hermanmiller.co.jp/about-us/press/press-releases/all/10-jun-2010.html
英語ではさらに詳細。このpdfの20〜22ページ目は、どこまでが目標で、2015年はどこまで来たか、2016年の指標はどこか、明確に書いてある。
http://www.hermanmiller.co.jp/content/dam/hermanmiller/documents/a_better_world/Better_World_Report.pdf

再度、「売っているのは商品ではなく、解決法」という言葉に戻るのだけれど、環境保護を解決するにしても数字できちんと示している。
デザインにしても環境にしても、感情的なところや、見方による違い(車がないとまったく移動できない場所なのに、車のガソリンと排気は、とか、気になることもあれど)など曖昧な部分は多い。それを踏まえた上で、これを基準にしてこう行く、と断言してやり切って行くのが凄いと思う。

ちなみに頂いたお土産の蜂蜜もこの環境の取り組みの一部。
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このグリーンハウスを作った際、スズメバチが群生し(というところがまた、大自然を感じさせるが)その対処法として、スズメバチを殺すのではなく、ミツバチ(ミツバチの巣12個、約 60万匹を投入したことに始まる。
蜂蜜採取の巣箱も作り、自社蜂蜜が出来る、と一石二鳥の解決法として知られている。
その蜂蜜をまさかもらえるとは思わず。貴重すぎてまだ手を付けられない。

ブック・アーティスト 太田泰友さん

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編集宮後です。
ブログを渡部さんに任せっぱなしにしてしまってすみません。ほぼ4か月ぶりの更新です。

5月8日まで渋谷ヒカリエ8Fで開催されていた「太田泰友 公開制作」を見てきました。
太田さんはドイツに製本留学した若きブック・アーティスト。「ブック・アーティスト」という肩書きは日本ではあまりなじみがありませんが、本のコンテンツからデザイン、印刷、製本までを手がける「本の芸術家」です。ほとんどが手作業なので、基本的には一点ものか、限られた部数の限定ものになるそう。

そんな活動をしている太田さんが期間限定で渋谷ヒカリエの中にご自身のアトリエを移し、公開制作をされているとうかがって、おじゃましてきました。こちらの写真中央が太田さん。
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まわりにある製本機具はドイツで購入し、普段はご自身の工房で使っていらっしゃるものだとか。思わず「どうやって運んできたんですか?」と聞いてしまいました。

太田さんの素敵な作品はこちらのウェブサイトからご覧ください。
http://www.yasutomoota.com


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ヒカリエでの公開制作期間は終わってしまいましたが、11月16日〜22日まで、新宿伊勢丹アートギャラリーで個展を開催するそうなので、作品の実物をご覧になりたい方はぜひ。

雑貨展

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続けて編集宮後です。
21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「雑貨展」を見てきました。

暮らしの中にある「雑貨」をテーマに、デザイナーやスタイリスト、店主など12組がキュレーションする雑貨と、参加作家19組による多彩な雑貨観を展示した展覧会。「雑貨」というのは、何が雑貨で何は雑貨ではないのか、選ぶ人それぞれによって解釈が異なりそうなテーマです。それだけに一つの展覧会としてまとめるのは難しいと思いますが、見事に雑貨的な、「全部乗せ」の楽しさを表現したような展覧会になっていました。

参加作家が21組、出展者が12組。作家枠の方は、雑貨をテーマにした作品を制作して展示し、出展者枠の方は、ご自身が「雑貨的」と思うものを編集して展示しているという解釈でいいのでしょうか。以下の参加者クレジットだけでも相当な人数に及びます。

[参加作家]
青田真也、池田秀紀/伊藤菜衣子(暮らしかた冒険家)、WE MAKE CARPETS、川原真由美、国松 遥(Jamo Associates)、小島準矢(Superposition Inc.)、島本 塁/玄 宇民(CGM)、清水久和(S&O DESIGN)、シンプル組合&RONDADE、菅 俊一、D&DEPARTMENT、寺山紀彦(studio note)、野本哲平、萩原俊矢、藤城成貴、町田 忍、松野屋、三宅瑠人、フィリップ・ワイズベッカー

[出展者]
井出恭子(YAECA)、岡尾美代子、小林和人(Roundabout, OUTBOUND)、小林 恭・マナ(設計事務所ima)、たかはしよしこ(S/S/A/W)、平林奈緒美、ルーカス B.B.(PAPERSKY)、PUEBCO INC.、保里正人・享子(CINQ, SAML.WALTZ)、松場登美(群言堂)、南 貴之(alpha.co.ltd)、森岡督行(森岡書店)

[展覧会チーム]
展覧会ディレクター:深澤直人企画:井出幸亮/テキスト
熊谷彰博/コンセプトリサーチ
中安秀夫/コンテンツリサーチ
橋詰 宗/展示グラフィック会場構成デザイン:荒井心平(NAOTO FUKASAWA DESIGN)会場構成協力:五十嵐瑠衣ショップ監修:山田 遊(method)展覧会グラフィック:葛西 薫企画構成:前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)


出展者ゾーンの会場写真はこちら。全部見せるとネタバレになるので、一部だけ。

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雑貨展の雑貨/展覧会企画チーム



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森岡督行さん(森岡書店)



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小林和人さん(Roundabout, OUTBOUND)



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平林奈緒美さん



展覧会全体で33組が出展しているので、バラエティ豊かな展示になることはおおよそ想像がつくのですが、それをどうまとめて一つの展覧会にするかというのは非常に編集的だと思いました。それぞれの作家が自由に表現しているように見えて、実は「誰に出展してもらうのか?」を決める時点で展覧会の着地点が決まっているのではないかと。

出展者を決めた時点で展覧会全体の内容が決まるというのは、取材先を決めた時点で雑誌全体の方向性が決まる雑誌編集の仕事にも似ていると思いました。だからこそ、雑誌やウェブサイトの編集をしている方々にもぜひ見ていただきたい展覧会なのです。

展示は、六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて6月5日まで開催。
http://www.2121designsight.jp/program/zakka/index.html

デザイナーと文章力

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編集宮後です。
いきなり意味不明なタイトルですみません。最近は本を書かれるデザイナーも多いと思うので、ものをつくる人が文章を書くということについて考えてみたいと思います。

デザイン雑誌の記事を読んでいて「このデザイナーさん、いいこと言うなあ」と思って、その方の著書を読むと「あれっ? なんか違う人みたい」と思うことはありませんか? 雑誌記事の多くは、デザイナーへの取材をもとにライターが文章をまとめているので、いわゆる「いい話」「オチがある話」になるよう、話を「盛って」しまうことがあるんです。要するに、「なんか、この人いいこと言ってる!」と読者が思えるようにうまくまとめるわけですね。

一方、デザイナー本人が執筆されている著書では、ライターや編集者が手を入れることはありますが、基本的にはご本人の言葉が直接文字になって本になります。文章には、その方が普段考えていることや意識がそのまま出てしまうので、実際以上に「盛ろう」としてもだめなんです。恐ろしいほど、素のままの自分がさらけだされます。そのときの自分の思考や意識、精神状態などがダイレクトにテキストになって出てくる感じです。なので、文章を書くことは脳の中を丸裸にされているようで、とても怖い行為でもあります。

そういう目線でデザイナーの方々の著書を読むと、いろいろな気づきがあるはずです。「なぜここでこの接続詞を使うのか? このときの筆者の気持ちは?」など、国語の問題を解く要領で読解していくと、いろいろなことがわかります。なので、デザイン学生や若いデザイナーの皆さんには、編集されていない文章を読んだり、トークイベントでデザイナーの生の声を聞いたりしてほしいのです。

どのくらい誠実に、どのくらい深く考えられているのか、読者の目線に立って書かれているか。私がデザイナーの文章を読むときにチェックするのはその3つです。そのような「いい文章」を書くデザイナーは、デザインもすばらしいことが多い。「相手の立場に立って深く考える」というのは、文章だけではなく、デザインもそうだからです。

なので、あくまでも個人的見解ですが、「いい文章を書ける人」=「いいデザイナー」だと思っています。ここでいう「いい文章」とは、プロのライターのような技術的にうまい文章ではなく、上記に挙げた3点がそろっている文章のことです(ただし、「文章が書けない=デザインがダメ」ということではありません。思考タイプではなく、直感タイプのデザイナーですばらしい仕事をされる方は、ご自身の直感を言語化するのが難しいのです)。長々と説明しましたが、タイトルの「デザイナーと文章力」がようやくつながりました。

「お前が言うなよ」と石が飛んでそうですが、わたくしも「日々精進せねば」と思いつつ、このブログを書いております。生あたたかい目で気長に見守っていただけると幸いです。






週末だけ開くギャラリー

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編集宮後です。
以前から気になっていたアートギャラリー「HHH gallery」(エイチ・ギャラリー)に行ってきました。

オープンしたのは、2015年3月。第一線で活躍するアーティストとアートシーンに関わる運営チームが中心となって企画と運営を担当。世界中からセレクトした美術作家やカルチャーを紹介するギャラリーです。貸し画廊ではなく、自分たちで立てた企画の展示を行っているとのこと。

オープンしてからいままでに5つの展示が行われ、伺ったときは岩﨑 岳留さんの個展「IN FLUX」が開催されていました。元々、工場だったという、天井の高い空間にモノトーンの作品が映えます。

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ギャラリーが開くのは、展示がある期間の土日祝。東京の少しディープなイーストサイドにありますが、有名美術館の学芸員や外国人観光客も訪れるそう。特にインターネットを見た海外の方からの問い合わせが非常に多いとか。

質の高い作品を展示し、広報して、作品を売ることをきちんと考え、しっかりと運営されている印象を受けました。

現在開催中の展示は、6月5日までだそうです。

IN FLUX
Takeru Iwazaki solo exhibition
日時:6月5日(日)まで土日のみ開廊(12:00 – 20:00 )
場所:HHH gallery(東京都葛飾区小菅2-21-17)
http://hhhgallery.com/exhibition-detail/takeru-iwazaki

「浅草デザイン蚤の市」のお知らせ(追加)

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(出展者情報追加:2016年5月22日)
★藤崎圭一郎さんと東泉一郎さんの蔵書も出品されます。

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編集宮後です。

浅草にある空き物件を使って、本とデザインにまつわるイベントやセミナーを期間限定&不定期で開催していくことになりました。

第1回はデザイン関係の本や雑貨の蚤の市を開催いたします。デザイナーや編集者の本(書籍、雑誌、展覧会図録)、デザイン雑貨や紙ものなどを販売いたします。

活版関係では、嘉瑞工房さんとLUFTKATZEさんの製品のほか、活字見本帳なども販売される予定があるそうです。

浅草演芸ホールの寄席文字を書かれている橘右龍さんによる寄席文字の実演と販売もありますので、皆様ふるってご参加ください。


日時:2016年5月28日(土) 13:00~18:00

場所:台東区浅草2-1-14 2F(朝日信用金庫隣のビルの2階です)
   都営浅草線 浅草駅より徒歩5分、銀座線 浅草駅より徒歩3分、
   東武スカイツリーライン浅草駅より徒歩1分

出展者(予定):
  [雑貨]
   嘉瑞工房(活版のオリジナル製品、本など)
   LUFTKATZE(活版のオリジナル製品、書体見本帳など)
   橘右龍(寄席文字の実演と販売)
   山浦のどか(イラストレーション)
   永岡綾+守屋史世(ea)(紙ものなど)

  [本]
   デザイナーや編集者の蔵書を販売します。

   ※建築・デザインのジャーナリスト高橋正明さん、デザイナーの藤松瑞恵さん、
       藝大の藤崎圭一郎さん、デザイナーの東泉一郎さんも出品してくださいます。

   ※編集宮後の蔵書(デザイン雑誌、書籍、展覧会図録、書体見本帳など)も出ます。
       
本の出品はまだ受付中なので、蔵書を出したいという方はご連絡ください。
(ブログのコメント欄に書き込みしていただくか、メールでお問い合わせください)

当日、お手伝いしてくださる方も募集中です。

浅草デザイン蚤の市・その2

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編集宮後です。
蚤の市の集客が心配になってきたので(弱気...)、同じ日(5月28日)に近くで開催されているイベントも書いておこうと思います(便乗商法...)。

位置的には、最も東に位置する4Fes!(都営新宿線 大島駅)から周って、→デザイン蚤の市(都営浅草線 浅草駅)→モノマチ(都営浅草線 蔵前駅)と移動するとスムーズです。

都営浅草線 蔵前駅と都営大江戸線 蔵前駅の乗り換えはいったん地上に出なければならず、とても分かりづらい(たいてい迷う)ので、ご注意ください。


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4Fes! 2016
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日時:5月28日(土)10:00〜17:00
場所:篠原紙工 Factory 4F(東京都 江東区大島5-51-13)
最寄り駅:都営新宿線 大島駅
詳細:https://www.facebook.com/events/1734431290111983/

篠原紙工社内のスペース「Factory 4F」主催のイベント。紙加工の現場(工場)が見学できるほか、トークイベント、ワークショップなど、盛りだくさんの内容。


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浅草デザイン蚤の市
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日時:5月28日(土)13:00〜18:00
場所:台東区浅草2-1-14 2F
最寄り駅:都営浅草線・東京メトロ銀座線 浅草駅
詳細:http://dezagen.exblog.jp/25807003/

本とデザインにまつわるイベントやセミナーを行うスペース(名前はまだない)で開催される蚤の市。文字やデザイン関係の本、紙もの、雑貨などを販売。


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モノマチ
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日時:5月27日(金)〜29日(日)
場所:徒蔵エリア(上野御徒町〜新御徒町〜蔵前周辺)
詳細:http://monomachi.com

上野御徒町〜新御徒町〜蔵前周辺で、ものづくりを行う個人やショップが製品を展示・販売するイベント。モノマチに参加しているアトリエやショップが展示会場となるので、マップを見ながらそれぞれの場所を巡る。


蔵書整理

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編集宮後です。
今週土曜日の蚤の市を前に、蔵書の整理をしていました。

自分がインターネット専門誌の編集者からデザイン雑誌の編集者になったのが1998年。それから約20年間分のデザイン雑誌、書籍となると、かなりの量があります。ざっと集めたところ、段ボール9箱分ありました。

雑誌は、自分がかかわっていた『デザインの現場』のほか、『広告批評』『WIRED』『STUDIO VOICE』など。どれも大事にとっておいたものですが、リアルタイムで読んでいない若い人に読んでほしいと思ったので手放すことにしました。

古本屋さんに引き取ってもらえないか聞いてみたんですが、「バックナンバーがあるので要りません」というお返事が多かったので、「それなら欲しい方にゆずりたい」と思った次第。ネットオークションで1冊ずつ売るのも面倒なので、まとめて放出します。大切にしていた本が本当に必要としている誰かの手に渡り、役立てていただけるのであれば、これほどうれしいことはありません(営利目的で転売しないでね)。

私が尊敬するデザイナーや編集者の方々も蔵書を提供してくださるそうなので、楽しみです。当日は売り場にいるので、気になる本があったら、ぜひ声をかけてください。当時のエピソードなど、要らん蘊蓄もセットにして暑苦しくお届けします。

好評ならば6月も開催しますので、お楽しみに。

蚤の市の報告

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編集宮後です。浅草デザイン蚤の市が無事終わりました。出展者の皆様、来てくださった皆様、ありがとうございます。

告知期間2週間だったので、お客様がいらっしゃるかドキドキのスタートでしたが、ほぼとぎれることなく大勢の方に来ていただけました(来場者数のカウントをすっかり忘れてましたが、体感では300人くらい?)。奥から順に文字関係で3ブース、蔵書3ブース6名、雑貨2ブースの合計8ブース12名が出展しました。

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こちらが会場風景。縦長な場所のうえ、お客様の顔が写ってしまうので、うまく撮影できませんでしたが、なかでも寄席文字の橘右龍さんのブース(写真の一番下)が人気でした。色紙に好きな文字を書いていただける出し物があったり、寄席文字関連の本が販売されていたりして、文字っ子たちが色めき立っておりました。

来てくださったお客様は20代とおぼしき若い方が多かったです。SNSとウェブサイトでしか告知していないのに、若者の情報収集能力恐るべしです。90年代の雑誌を見ていた若者に「僕、5歳でした」と言われ、時の流れを実感しました。日本にいる留学生の皆さんも来てくれて、勉強になりそうなデザイン書を買っていきました。いい本から売れていったので、みなさん目利きだなあと思った次第。

蚤の市は体力を使うので、また涼しくなったら開催したいです。
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